目覚める記憶、黒のかたち
全身真っ黒なブラックマンタを見た瞬間、昔近くの森で初めてカブトムシを見つけたときのように心がはずんだ。思わず「かっこいいね」と、声が漏れた。
その一瞬、自分の中に眠っていた何かが目を覚ました気がした。大人になるにつれて置き忘れてきた「思いがけない発見の喜び」や「ときめき」が、黒い翼を広げて静かに舞い上がった。
水槽の青の中を悠然と泳ぐマンタは、記憶の奥に潜んでいた感情をやわらかく呼び起こしてくれた。それは、過去の自分との再会でもあり、未来への小さな予感でもあった。
記憶は、思い出すものではなく、そっと目覚めるものなのかもしれない。
2025-08-17(撮影)
