大自然の中にひっそりと佇む石造りの教会。 湖に向けて捧げられてきた無数の祈りが、 いまも風の中に薄く残っているように感じた。 もし自分が幼い頃からこの場所に通っていたなら、 信仰の道へと自然に歩み出していたのかもしれない── そんな思いがふと胸をよぎった。
若い頃、教会とはいくつも接点があった。 聖書を開く機会も何度かあったのに、 なぜか最後の一歩だけが踏み出せなかった。 その理由を、いまでもときどき考える。
「善き羊飼いの教会」。 ニュージーランドのテカポ湖畔に、 1935年、ヨーロッパからの開拓者たちを記念して建てられた小さな教会。 “善き羊飼い”とは、迷える羊を導くイエス・キリストのこと。 新約聖書にある有名な比喩に由来するという。
湖の青と石壁の静けさの中で、 その物語がゆっくりと胸に沁みていくようだった。
2012-11-12(撮影)






