命の長さにたじろがない記憶

美ら海水族館のジンベイザメ「ジンタ」は、今年で飼育三十年になるという。寿命は百年を超えるとも言われ、一緒に行った孫たちは、これから何度も彼に会いに来ることができるだろう。

巨大な体をゆったりと泳がせるジンタの姿には、時間の流れを超えた静けさがある。

水槽の青に包まれたその瞬間、若さみなぎる孫たちの笑顔と重なって、「たまゆら」という言葉がふと浮かんだ。勾玉が触れ合うような、かすかな一瞬。その一瞬に、私自身も少し力をもらった気がした。

命の長さにたじろがない、深い記憶を残せたのかもしれない。

 

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