「小さな命との出会い」

記憶の中の海上の森は、僕のお気に入りだ。
数年前の初夏、群馬から一時的に名古屋へ戻ったとき、懐かしいその森を歩いた。
足元にふと目をやると、小さなトンボが舞っていた。

最初はかげろうかと思ったが、カメラを向けると、小枝に止まってくれた。
緑に光るスマートな姿。後で調べると、オオアオイトトンボのメスだった。
鬼ヤンマやギンヤンマの記憶はあるが、この小さな命には、これまで目を向けてこなかった。
今ならわかる。よく命を繋いできてくれた。小さな命こそ、森の深さを教えてくれる。

小さな命との出会いが、森の記憶をさらに賑やかにした。

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