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2026-08-30 HAUSERのチェロに魅せられて―

先日、目の白内障の手術をしました。
術後のしばらくの間、目を使えない静かな暗闇のなかに身を置くことになりました。
視界を閉ざされたその時間、私はただ耳と心だけを開いて、チェリスト・HAUSER(ハウザー)の曲集に没入していました。
老境に入り、暗闇のなかだからこそ、私の心には驚くほど濃密で神聖な音色が聴こえてきました。胸の奥から溢れ出る感動に突き動かされ、人生で初めて俳句というものに挑戦してみました。
心の目が見つめた、三つの景色(三句一連)です。

  1. 天の川 手をのばしおり セロの旋律(おと)
  2. 語り出す 秋の女(ひと)似て セロ歌う
  3. 続かまし 秋の夜のセロ リフレイン

◆ 一句目について
「旋律」と書いて「おと」と読みます。
術後の暗闇のなか、目を閉じているはずの私のなかに神聖な「天の川」が広がっていきました。長い人生を歩んできた今だからこそ感じる、大いなる存在。そこへ届かないと知りながらも、ただ一心に祈るように手を伸ばす人間の姿。セロの旋律が、まるでその「伸ばされた手」そのものであるかのように天へと昇っていく――。初めて紡いだ五七五に、その神聖な一瞬を込めました。

◆ 二句目について
「女」と書いて「ひと」と読みます。
大宇宙から、今度は私の心の内側、歩んできた人生の記憶へと視線が移ります。「そんなこともあったわね、でもね……」セロの深い低音をじっと聴くうちに、知っているわけでもない過去を愛おしむ歌詞が浮かびました。人生の深みを知る女性が優しく語りかけてくるかのように、私の歩みにそっと寄り添い、胸の奥の記憶を情熱的に歌い上げる瞬間です。

◆ 三句目について
「続かまし」は「続いてほしい」という切ない願いです。
調べてみて初めて知ったのですが、「リフレイン」とは日本語で音楽の「サビ(繰り返される核心の部分)」のことだそうです。目を使えない静寂のなか、胸に響き続ける最高のサビ。初めて知る言葉を紡ぐ衝動のなかで、この美しい「リフレイン」がどうか終わらずに続いてほしいと思っている自分がいました。秋の夜、去りゆく季節と共にいつまでも心地よく繰り返される贅沢な余韻です。

今日のときそら

2026年08月30日(日)

旧暦 2026年 文月(ふづき・7月)18日

処暑、天地始粛(てんちはじめてさむし)のころ、
熱気に満ちていた空気が少しずつ落ち着きを取り戻す。
立待月が夜空で輝き、星々の光をおぼろげに覆う。
山羊座=牛宿の空を静かに渡っていく。
その光は季節の気配とともに、夜をそっと照らす。

今日のとき(季節)

ささやかな季のゆらぎを古の心にならう

旧暦 旧暦 2026年 文月(7月)18日

ときの気配

文月の空気がいつしか満ち、吾亦紅の花にいやされ、
ルリビタキ達の気配に心弾む。

ときの暦

二十四節気

処暑 — 暑さが落ち着き、朝夕に秋の気配が漂い始める。

七十二候

天地始粛(てんちはじめてさむし)

熱気に満ちていた空気が、 少しずつ落ち着きを取り戻し、 大地にも空にも静けさが戻ってくる。

■ 鳥の気配

青い羽が森の影を照らし、 ルリビタキが低い枝を軽やかに渡る。 深まる季節に静かな光を落とす。

■ 花の気配

夕の影に寄り添い、 吾亦紅が深い紅を細く灯す。 秋の深まりをひとしずく先取りする。

■ 今日の記憶

「お供え」

お盆の朝、小さな手でお供えのナスの馬を組み立てる。
ご先祖様を乗せて走るようにと、折った麻幹の足を刺す。
厳かで、どこか温かい、日本のふるさとの夏の節目。

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今日のそら(天文)

とこしえの宙のめぐりを伝承に学ぶ

夜宙よぞらの気配

「立待月が夜空にあり、牛宿の空を渡りながら、山羊座の上を静かに巡っていく。 水瓶座がその後を追うように昇り、射手座が西の空から沈んでいく。」

・月齢:17.4

・月の出入り:出 19:10 / 入 07:00

・次の新月(朔)まで:12.4 日

・次の満月(望)まで:28.4 日

■🌙 21時の夜宙

■ 太陽の天球上の位置(季をさぐる)
 古代の人々は、夜空に輝く星座を季節の看板として直接見上げ、それらを手がかりとして太陽の位置を推し測ることで、季節の移り変わりを知る見事な術を持っていました。

 例えば、今夜21時、天球では山羊座が南中しています。一般の人々は、この見えている星座そのものを夜の指標”とし、晩夏のころを肌で知りました。

 一方で古代の学者たちは、天球が東から西へと回転する規則性をもとに、この夜の南中星座から太陽の居場所を逆算しました。

 山羊座から黄道の道を逆にたどることで、昼間の光に隠れた太陽が、今まさに乙女座の領域を進んでいることを突き止めたのです。

このように、見えない太陽の位置を星空から割り出すことで、学者たちは暦を正しく管理し、より正確な季節の流れを人々に示しました。

 同じ頃、東洋の天球に目を向けると、太陽は角・亢の宿々を進んでおり、 洋の東西を問わず、対をなす星々が等しく季節の到来を物語っていたのです。
■ 太陽の天球上の位置
今日の太陽は、西洋では 乙女座、 東洋では 角・亢 の区画にあり、 この位置が季節の基準となります。

※ 宿(しゅく)は、月が通る白道を28に区切った東洋の天球の区画名です。
星座とは別の体系で、月だけでなく太陽や惑星の位置を知るための目印として使われました。

→ 宿の天文学の詳細はこちら

🔆(今夜は月面光害アラート: 今宵はまばゆい月明かりが天球全体を満たしているため、 背景に眠る淡く儚い深宇宙のガスや銀河のうねりは月光にかき消されています。 長露光撮影は避け、月面クレーターの直接観測が推奨されます。

※ 今夜の夜空に眠る、淡く儚い星雲・星団の自動選定データは現在お休みです。 月の入り以降の暗黒の宙をお待ちください。

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