ささやかな季のゆらぎを古の心に習う
今日の日
2026年3月3日(火)
🌿季 節
🎎 五節句:
上巳 (桃の節句)
🌿 二十四節気:
雨水
雪が雨へと変わり、大地がゆるみ、生命が動き出す準備をする頃。
🍃 七十二候:
草木萌動 (そうもく きざし うごく)
温かな春の日差しにさそわれて、
潤った土や草木から、新芽が芽生え始める。
✧ 星座:
しし座、うみへび座
ネメアの獅子として知られるしし座が、 東の空に堂々と弧を描き、 夜の静寂をにぎやかす。
🕊 野鳥:
メジロ、ヒヨドリ、コゲラ
メジロが緑の羽を揺らし枝先を渡る。 受け継いだ技をお披露目するかのごとく。
❀ 花:
椿、水仙、菜の花
水仙が冷たい風の中に香りを放つ。 たちまちに四方(よも)の明かりとなる。
◇ 行事:
雛飾り
桃の節句を迎える雛飾り。 季節(とき)の気配を慈しみ、愉しむ。
🌙天 文
🕒 旧暦: 閏如月15日 (大安)
🐾 干支:
二十八宿: 翼 (よく)
飛躍・自由。軽やかに進む日。
太陽星座:
魚座(Pisces)
テーマ:溶ける・受容・水の夢
境界がほどけ、世界がひとつの水音に溶けていく。
静かな受容が満ちる頃。
🌘 月齢: 13.9 (十四夜)
月は円を描き、夜は静かな白さに包まれる。
moon phase

氷河の上空(オーロラの代わりの贈り物)

“McKinley Sep 2012  窓越しに見た氷河の輝き”

記憶の扉を開けようとしたとき、最初に立ち上がってきたのは、白いきらめきの記憶だった。

セスナの窓から見た、氷河の輝き。揺れる機体の中で、私は夢中でカメラを構えていた。

2012年93日、アラスカ。

その日は朝からデナリ国立公園を巡る予定だった。中国地方と四国を合わせたほどの広大な土地を、フェアバンクスからカンティシュナまで、バスで5時間かけて走った。水枯れの谷と川、丘と草原を越えて、野生のベリーが競い合うように色づく草紅葉が、遠くの山々まで続いていた。

目的地のロッジでは、砂金すくいの真似事や散策を楽しんだ。近くに飛行場があり、セスナがしきりに離発着していた。帰り道が同じルートだと知っていたので「できれば、違う景色が見たい」と思い、ツアー添乗員に無理を言い、6人乗りのセスナ機をチャーターした。珍しい客だったのだろう。操縦士は奮発して、標高6190mのマッキンリー(デナリ)山を越えてくれた。

セスナの中、私はマッキンリーの頂上と氷河を見逃すまいと夢中だった。カメラが窓ガラスにぶつかるほど揺れる機体。構えるのが難しく、気を取られて、怖さを忘れていた。

この旅は「9月でもオーロラが見られるよ!」との触れ込みで出かけた旅だった。目的のオーロラを見ることは叶わなかったけれど、あの空の旅は、今になって記憶の奥から静かに立ち上がってくる。

思い切って出かけて、わがままを言った選択が、思いがけない風景を残した。
その頃はまだ知らなかった“セレンディピティ”だったのかもしれない。

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