命の長さにたじろがない記憶
美ら海水族館のジンベエザメ「ジンタ」は、2025年、飼育三十年を迎えるという。寿命は百年を超えるとも言われ、今日そばにいた孫たちは、これから先も何度となく彼に会いに来ることができるだろう。
巨大な体をゆったりと揺らしながら泳ぐジンタには、時間の流れを受け流すような、深い静けさが宿っていた。
水槽の青に包まれたそのひととき、若さにあふれた孫たちの笑顔と重なり、「たまゆら」という言葉がふと胸に浮かんだ。勾玉がそっと触れ合うような、かすかな一瞬。その一瞬が、長い命の前でたじろぐ私の心に、静かな力を手渡してくれた気がした。

